かつては「現場で学ぶ」が主流だった若手社員の育成。
しかし、社会環境や働き方、そして若手世代の価値観が大きく変化する中、OJT(On the Job Training)だけでは不十分という認識が広がりつつあります。
今、企業には「育成方法そのもののアップデート」が求められています。
この記事では、従来のOJTだけに頼らず、新時代に合った若手育成の新常識を3つご紹介します。
目次
1. オンライン・オフラインを組み合わせた「ハイブリッド型育成」

リモートワークの普及により、若手社員もオフィスに常駐しない働き方が一般的になってきました。
これにより、リアルな現場で教え込む従来型OJTだけでは育成が回らないという問題が浮上しています。
そこで必要なのが、「オンライン×オフライン」を組み合わせたハイブリッド型育成です。
ハイブリッド型の具体策
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オンライン研修+対面フォローアップ
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座学や知識習得はWeb会議ツールで実施し、実践演習は出社日に集中して行う。
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動画教材の活用
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基本業務の手順を動画で見せることで、復習しやすく、理解の個人差もカバーできる。
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バーチャルOJT
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日々の業務の中でチャットやビデオ通話を活用し、適時アドバイスを行う。
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リアルとデジタルの両面から支援することで、場所にとらわれず、一人ひとりに合った育成が実現できます。
2. 自主性を引き出す「コーチング型マネジメント」

Z世代・α世代に突入しつつある若手社員たちは、「上からの指示」や「細かい管理」を嫌う傾向が強くなっています。
そこで、育成スタイルも「ティーチング(教える)」から「コーチング(引き出す)」へシフトすべきです。
コーチング型育成とは?
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本人の考えや意見をまず尊重
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「なぜ?」を問いかけ、自己解決力を伸ばす
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成功体験を重ねさせて自己肯定感を高める
具体的には、
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「この業務、あなたならどう進めますか?」と問いかけ、
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その答えをもとに伴走しながら育成していく、
といったイメージです。
単なる指示待ち人材ではなく、考え、動ける人材へと成長させるために、コーチング型マネジメントは必須と言えるでしょう。
3. キャリアオーナーシップを育てる「成長設計図の共有」

若手社員は「ただ与えられた仕事をこなす」だけではモチベーションを維持できません。
「この会社でどう成長できるか」という未来像を持てるかが、離職防止にも直結します。
そのためには、明確なキャリアのロードマップを示すことが必要です。
成長設計図の作り方
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1年後・3年後・5年後の成長イメージを可視化
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必要なスキル・経験・マイルストーンを具体的に示す
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社員自身にも設計図作成に参加してもらう(=オーナーシップを持たせる)
これにより、若手社員は
「自分が成長するために今この仕事をしているんだ」
という意義を感じながら日々の業務に取り組めるようになります。
なぜ今、育成方法を変えなければならないのか?
従来型のOJTだけでは、新しい時代の若手社員に「刺さらない」どころか、早期離職やモチベーション低下の原因になりかねません。
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リモートワークや副業の普及によって、「会社に縛られない働き方」が当たり前になった
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SNSでリアルな企業の内部情報が簡単に拡散する
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キャリア観が「年功序列」から「自己実現」へ変わった
こうした社会背景の中で、
「現場で見て覚えろ」式の育成だけではもう若手は育たない
という現実を、企業は直視しなければなりません。
まとめ|新時代の育成成功のカギ
✅ ハイブリッド型育成を取り入れる
✅ コーチング型マネジメントを実践する
✅ 成長設計図を一緒に描く
この3つを意識して若手育成に取り組むことで、
単なる「教育」ではなく、
「成長を支援する文化」を社内に根付かせることができます。
未来の会社を支える若手社員たちが、自ら成長したい!と思える環境を整えましょう。